どーも、もりそばです。
今、もっとも勢いのあると言えるかもしれない「インディーゲーム」をご存じでしょうか?多くのサイトや、各ハードのオンラインストアなどでも特集が組まれたりしているので、目にした事がある方も多いと思います。
インディーゲームは個人、または小規模の独立系開発会社が作成したゲームです。そう聞くと、大したゲームじゃないような印象を受けるかもしれませんが、実際にはそうではありません。見た目の豪華さや派手さは大手のゲームメーカーに劣って見える部分もありますが、内容は勝るとも劣らない作品が存在します。
有名な「マインクラフト」も、インディータイトルですし、2Dサンドボックスゲーム「テラリア」や、先日のニンテンドーダイレクトにも登場した「アンダーテイル」もインディータイトルです。
私がSteamを始めた理由も、インディーゲームに興味をもったことが大きいです。おそらく、良質な2Dゲームを遊びたいと思ったら、現状ではインディーゲームが最有力になると思います。
インディーゲームは開発者が「オレはこんなゲームが作りたいんだ!」という情熱にあふれたゲームです。それゆえに少々不親切だったり、難しかったりと、一癖も二癖もあるゲームが多いです。そんなインディーゲームの紹介と解説、個人的レビューをしていこうというのがこのコーナーです。
第1回目は、Nintendo Switchで先日配信が始まったばかりの『ゴルフストーリー』です。
これは、まぎれもない「ゴルフゲーム」だ!
はじまりからコイツは何を言ってるんだと思われたかもしれませんが、改めて言います。「これは、まぎれもないゴルフゲームです。」
「ゴルフストーリー」は、ゴルフゲームとRPGを組み合わせた異色のゲームです。PVなどを見た方は知っているかもしれませんが、普通のゴルフゲームではあり得ないようなシチュエーションや、ゴルフを用いて無理難題をクリアしていくといったハチャメチャな内容になっています。
ゴルフゲームはある意味で完成の領域に達しているのかもしれません。任天堂がファミコンで発売した「ゴルフ」で、3回ボタンを押してショットを打つというシステムを確立した時点で、ほぼ完成していたのかもしれません。多くのゴルフゲームがこのシステムを採用していることからも、この操作方法がいかに優れているのかがわかると思います。
その後「みんなのゴルフ」が登場して、3D化された後は劇的な変化というものはなかったように思えます。(みんなのゴルフ6は、操作方法の変化を模索したが最新作ではゲージタイプに戻っています。)
「ゴルフストーリー」の開発者は、ただのゴルフゲームを作ったのでは、ゴルフ好きにしか目を向けられないだろうという思いから、RPGと組み合わせるという異色の組み合わせを思いついたのかもしれません。
コミカルで破天荒なイメージの世界観、ゴルフとRPGという組み合わせは、決して企画ありきのゲームではなく、ゴルフゲームへの愛に満ちています。そして、ゴルフゲームの間口を広げることにも成功している希有なゲームだと思います。
ゴルフゲームとして、しっかりと作られていることはゲームを始めてすぐにわかると思います。風を読んで、地形を読み、クラブ選択とショットの調整に悩むといった、ゴルフゲームの醍醐味は全て詰まっています。読みが足らずにミスショットになることも、読み切れずに「ええぇい!ままよ!」と打ったショットがミラクルショットになることもあります。
ただ、ゴルフゲームとしてしっかり作られているが故に、ストーリーを進めたいと思った時や、そもそもゴルフゲームが得意ではない人にとっては、大きな関門になるかもしれません。
キャラクター同士のコミカルな掛け合いが面白いだけに、何ともし難い部分ではありますが。
不親切さに挫折しないで!
多くのインディーゲームが、大手のゲームのようなチュートリアルを用意してません。いきなり始まって、わけもわからずゲームが進行していくなんてタイトルは山ほどあります。
「ゴルフストーリー」もその例に漏れず、スタートから不親切です。その不親切さにゲームを投げてしまわないように、いくつか補足説明をしていきます。
操作説明は「マイナスボタン」
所々でちょっとした操作説明はあるのですが、ザックリとしていてわかりにくかったり、そもそも説明がなかったりするのが「ゴルフストーリー」です。
操作に困ったら、マイナスボタンを押してみてみて下さい。基本操作が表示されます。私はこれに気づけず、スティック操作なのに歩くスピードが変わらないため、しばらく「このゲームはダッシュできないんだなぁ」とプレイしていました(笑)
ショットの際にマイナスボタンを押すと、ショットモード時の操作説明が表示されます。
この中で、操作に戸惑う項目をいくつか解説していきます。
ショットモード時の左スティック・方向ボタン
ショットの照準調整には、左スティックの左右で方向を変化させることが出来ます。2Dの見下ろし型なので、直感的に上下に動かしてしまいがちですが、左右に倒して調整します。右に倒すことで時計回りに、左に倒すことで反時計回りに変化します。
方向ボタンの左右で微調整を行うことが出来ます。変化のさせ方は、スティックと同じく右で時計回り、左で反時計回りです。
上下ボタンは「ショットスキル」を使う際に押します。
序盤は「フォーカス」しか使えませんが、進行に応じて新たなスキルを使えるようになります。
「ショットスキル」は、プレー開始時に3つメーターが溜まっています。使用に1つメーターを消費し、徐々に回復しますが、実質3回程度の使用になると思います。後半のホールでは使いどころが重要になってきます。
ショットモード時の右スティック・ABXYボタン
右スティックでホールを見回すことが出来きますが、かなり範囲が狭いです。スティック押し込みで縮小表示に切り替えることも出来ます。
Yボタンで「パワー調節モード」に切り替わります。説明では照準モードとピンとこない名前になっていますが、かなり重要な要素です。
パワー調整モードに切り替わると、スティック上下でゲージのどの部分で打つとどの位飛ぶのかという目安を知ることができます。ちょっと弱めに打ちたいな、という時やパターの際、アプローチショットを打つときに役に立つはずです。
これを知っているのと知らないのでは、攻略に雲泥の差が生じるので、早めに慣れた方がいいと思います。
Xボタンを押すと、「ポイント調整モード」に切り替わります。これも説明では、ヒットポイントモードと名前が違っています。
ポイント調整モードは、ボールのどの部分を打つか自分で決めることが出来ます。ただ、ステータスの「変化」がある程度ないと効果は得られません。実際、このモードに頼らなくてもクリア出来ました。玄人向けの要素だと思います。
最難関のディスクゴルフ
「ゴルフストーリー」は、数多くのおかしなチャレンジに挑むことになるのですが、その中でも「ディスクゴルフ」はゲームを投げ出したくなる要素かもしれません。
この「ディスクゴルフ」は、ストーリー進行上クリア必須となっているのですが、ろくな説明もなくいきなりスタートします。練習もありません。
ゴルフと名の付いてはいるものの、操作方法はゴルフのソレではないので、困惑してしまうと思うので、操作方法とコツを説明します。
まず、Xボタン長押しでゲージを溜めて、離すとディスクを投げます。その後、左スティックの左右で方向を変化させることが出来ます。右に倒すと時計回りに、左に倒すと反時計回りと直感的でないことがさらに混乱させる要因になっています。
上下はブレーキとなっていて、ディスクのスピードを落とします。方向変化しようとした時に、上下にスティックが入ると減速してしまうため、うまく操作できなかったりするので、方向変化には、スティックを左右にしっかり入れることを心がけて下さい。
ディスク操作のコツは、まずパワーは弱めに投げることです。目的のゴールまでの距離があるように感じるので、強めに投げたくなりますが、強く投げてしまうとスピードがついて方向変化もかなりクイックになってしまいます。
パワーは半分もあればクリア出来るものがほとんどなので、弱めで十分です。方向変化させるのも、スティックを倒しっぱなしではなく、コツコツと細かくスティックを倒して変化させるといいと思います。最初のディスクゴルフは、このやりかたでクリア出来ると思います。
ストーリーが盛り上がるのは中盤から
序盤から、コミカルな会話や魅力的なキャラクターが出てきますが、その内容はあくまでゴルフに準じた内容になっています。それゆえに、突拍子もない内容を期待しすぎると肩すかしを食らってしまうかもしれません。
ですが、「ゴルフストーリー」が真の姿を見せるのは、中盤以降になります。「なんだ、ふつーにゴルフゲームじゃん」と思わずに、ストーリーを進めて行って欲しいと思います。
ステータスはどう振り分ける?
ゴルフRPGというだけあって、レベルの要素があり、レベルアップに応じてステータスにポイントを振り分けていくことになります。
振り分けはそれぞれのプレースタイルによって変わると思いますが、重要なのは「パワー」と「球筋のクセ」と「精神の強さ」になるのではないでしょうか?
私のクリア時のデータは上のようになっています。ストーリー進行だけを優先していたので、多くのクエストを消化していたら、もっとレベルは高くなっていたかもしれません。
「パワー」はその名の通り、飛距離に影響を与えます。ただし、パワーにポイントを振ると、その他のステータスが下がるようになっています。パワーだけを上げると、球はまっすぐ飛ばない、インパクトポイントは狭い、変化もスピンもかからないという操作しにくいキャラになるので、他にもバランス良く振ることをオススメします。
また、「パワー」の項目だけは、後からXボタンでパワーを減らすことでポイントを回復することができます。(他の項目は振り直し不可なので注意)
「球筋のクセ」はジャストインパクト時に球筋がどうなるかという基準になります。曲がりクセがあるよりも、まっすぐ飛ぶ方が使いやすいので、下の説明にストレート表示されるように振り分けていくと良いと思います。
「精神の強さ」はインパクトゲージ(紫ゾーン)の範囲の広さを変化させます。ミスショットをいかに少なくするかが、ゴルフゲームの重要な部分なので、ここにもしっかりポイントを振っておきたいところです。
スピンと変化は、使いこなした技術的なプレーをするなら振り分けるといいと思います。クリアまでにこの2つを使うことはあまりなかったので、無視しても大丈夫だと思います。
フライハイワークスの絶妙なローカライズ
フライハイワークスによるローカライズが、「ゴルフストーリー」の魅力を最大限に引き出してくれています。
細かな吹き出しや、何気ないセリフまで機械的ではなく温かみを感じる翻訳はすばらしいの一言です。
キャラクターが個性的に見えるのも、世界観がすばらしく思えるのもこのローカライズあってこそだと思います。個人的に、フライハイワークスのローカライズにレビュー採点+1点をあげたいと思うくらいです。
「ゴルフストーリー」の評価
コミカルなキャラクターや、セリフとおかしな世界はとても魅力的で、ゴルフとRPGの組み合わせは成功していると思います。プレイした多くの人が、この世界を好きになれると思います。
ゴルフゲームとしても、2Dゴルフゲームではハイレベルの出来となっています。マニアックなプレーをしようと思えば、それすらも受け入れるだけのしっかりしたゴルフゲームです。
しかし、その2つの要素がよくできているが故に、どちらかを楽しみたいと思う人にとっては足かせになってしまう要素も含んでいると思います。事実、私は最後のホールの意地悪さに投げ出しそうになりました。
ストーリーを楽しみたいと思う人が、ゴルフゲームの本格さに投げ出してしまわないように、装備品にもう少し何かしらの楽になる要素があっても良かったかもしれないと思いました。
ゴルフゲームを楽しみたいと思う人には、ストーリー上で9ホール勝負しかないのは物足りないかもしれません。
いずれにせよ、2つの組み合わせたジャンルが高次元で融合している「ゴルフストーリー」は、かなりの良作と言えます。不親切さが多くあるとしてもです。
「ゴルフストーリー」は、Nintendo Switchのeショップにて1500円で販売中です。ゴルフゲームが苦手でなければ、是非遊んでみてください。
個人的ゲーム採点
9/10