どーも、もりそばです。
今回紹介するインディーゲームは、前回取り上げたオニオンゲームスの2Dシューティングゲーム「BLACK BIRD」です。
かつてはアーケードゲーム(ゲームセンターに置かれているゲーム)が最先端のゲームでした。
社会現象にもなり、日本中にビデオゲームのおもしろさを知らしめたインベーダーゲーム。ゼビウス、グラディウス、ダライアス、R-TYPEなど、シューティングゲームは花形ジャンルでした。
家庭用ゲーム機は、アーケードゲームをどれだけ忠実に再現できるか?というのが、長い間家庭用ゲーム機のテーマになっていました。
時代が進み、家庭用ゲーム機のスペックが上がるとその関係性は崩れ、家庭用ゲーム機が最先端のゲームになると、同じように2Dシューティングゲームは消えて行き、シューティングゲームはFPS、TPSを指す言葉になっていきました。
みなさんが最後に遊んだ2Dシューティングゲームは何だったでしょうか?
「BLACK BIRD」はニンテンドースイッチ版が先行配信され、遅れてSteam版が配信されています。私はSteam版に用意されたプレミアムパックが欲しかったので、Steam版をプレイしています。
プレイ環境はおなじみのVAIO Tap21です。(余談ですが、先日HDDがクラッシュしてしまった為、SSDに換装しております。)
シンプル操作で誰でも楽しめる
BLACK BIRDの操作は、ショットとボムの2ボタンにコントロールスティックで自機となる黒い鳥を動かすというシンプルなものです。
移動は360度自在に動くことが可能で、横スクロールシューティングゲームによくある地面と天井の当たり判定がないのでストレスなく動き回ることが出来ます。
ショットはボタン連打しなくても、押しっぱなしでオート連射してくれるので楽な仕様になっています。
一見すると黒い鳥の体全体が当たり判定を持っているように思えますが、ダメージを受ける判定があるのは目の周りのみとなっているので、敵の攻撃をよける際には目を動かすイメージで操作すると攻略が楽になると思います。
敵となる人間たちや兵器を倒すと、命の結晶である緑のクリスタルが出現します。このクリスタルとなった命を食べる(集める)ことで、黒い鳥は成長して行きます。
ゲーム開始時は小さく、前方に小さな弾をはき出すだけの黒い鳥が、成長すると多方向に同時攻撃できたり、攻撃自体が強くなっていきます。
強い敵ほど大きなクリスタルを落とし、落ちたクリスタルは地面に落ちてバウンドするごとに小さくなっていくので早めに回収する必要があります。
ダメージを受けると黒い鳥は弱っていき、せっかく上げた自機レベルがダウンするので、クリアのためにも被弾することは避けなければなりません。後述しますが、被弾するとコンボゲージもリセットされるので、被弾しないことが重要な要素になっています。
せっかく出現させたクリスタルを逃すまいと、むやみに突っ込んで被弾してしまうということが、このゲームのあるあるなので注意してください。この辺の人の心理をうまく使ったバランスは上手いなぁと感心してしまいました。
MAXコンボボムで敵を巻き込め
一般的にシューティングゲームのボムと言えば、画面上の敵を一掃することができる必殺技のようなものです。
BLACK BIRDでは必殺技の要素に加えて、黒い鳥の成長と繋がっているのがポイントです。
敵となる人間を倒すとクリスタルを落とすのですが、ただ敵を倒しているだけでは黒い鳥の成長に必要なクリスタルはなかなか集まりません。ボムを効率よく使うことによって、クリスタルとスコアを大量に手に入れることが出来ます。
敵を倒し始めると、画面右上のスコア表示の下にコンボゲージが表示されます。黄色いバーはコンボ継続の有効時間を表していて、このゲージがなくなる前に敵を倒すとコンボ継続となります。
このコンボは最大で30となっていて、マックスに到達するとボムアイコンが紫に光り出します。
この状態でボムを発動するとMAXボムとなり、スコアとクリスタルにボーナスが加算され、大量のクリスタルを手入れることが出来ます。
ボム発動中も移動することができるので、できるだけ多くの敵を巻き込めるように移動することも重要です。黒い鳥のレベルが高いほど、ボムで巻き込める範囲も発動時間も長くなっているので、序盤から積極的にMAXボムを発動して、黒い鳥を成長させるのがポイントです。
ボムにはもちろん使用できる数に限りがあります。ボムの使用回数を増やすにはマップ上に出現するアイテム壺を見つけ、破壊する必要があります。
アイテム壺を破壊すると出現するアイテムは、攻撃を加えると「ライフ」「スピードアップ」「ボム」と順番に変化します。
どうしても連射状態になりがちなので、狙っていたアイテムと違うものを手に入れてしまうなんてことがよくあるので、アイテム入手の際はお気をつけて。
また、1ステージで出現するアイテム壺の数は決まっているので何を入手していくかを考える必要があります。
BLACK BIRDはシューティングゲームで多くある残機ではなく、ライフがなくなれば終了というゲームになっています。コンテニューはなく、ゲームオーバーになったら最初からやり直しという少しシビアなシステムです。
MAXボムによる成長のためにボムを増やすか?生き延びるためのライフか?敵の攻撃を避けやすくし、クリスタル回収速度も上がるスピードアップか?自身のプレイスタイルで考え、構築していくことが楽しいと思える作りになっています。
探索する楽しさに満ちたステージ
BLACK BIRDは2Dシューティングゲームに数多くある、強制スクロールタイプではなく、ステージがドーナッツ状に繋がっていて左右に自由に動き回ることができます。
ステージには敵の拠点がいくつかあり、この拠点を全て破壊することでステージクリア、ボス戦へというのがBLACK BIRDのステージ構成となります。
ステージ上には破壊できる多くのオブジェクトがあり、ただの背景に見えるものも攻撃を加えると動き出したりと見ていておもしろい仕掛けが多数用意されています。
アイテム壺が隠されていたり、高得点が貰える隠しキャラが居たりするので、ただ拠点破壊だけを目的とせずに是非、隅々まで探索してみてください。
ただし、ステージに長く滞在していると謎のマシンが出現し、クリスタルを奪っていくという妨害が始まります。
探索に夢中になったり、リスポーンする敵を倒してクリスタル稼ぎするには時間制限があることは覚えておいてください。
ボス戦は比較的イージー
BLACK BIRDのボス戦は、見た目も攻撃もユニークな個性派揃いです。
一般的に、シューティングゲームのボス戦と言えば、これでもかと言うくらいに弾をばらまいたり、極太レーザーで襲いかかったりという恐ろしいイメージですが、BLACK BIRDのボス戦はゆるいものです。
初見でも、どこを攻撃すればいいのかがわかりやすいですし、攻撃パターンを把握すると手応えは薄れていきます。
シューティングゲームが苦手という人でも、恐れずにクリアできるレベルに作られています。逆に、シューティングゲーム好きな人には物足りなさを感じる部分になると思います。
ただし、ラストのボス戦はそれまでのゆるさがなんだったのか?というくらいに難易度が上がります。ゲームクリアへの道は容易ではないということですね。
トゥルーモードで明かされるストーリー
BLACK BIRDは一人の少女が行き倒れになるところから始まります。
少女を謎の紳士がステッキで突っつくと少女は卵へと変化し、そこから黒い鳥が生まれるというストーリーになっています。
テキストはなく、ステージ間に短いドットアニメが挿入するだけなのですが、シリアスなストーリーに興味が尽きません。
本作はマルチエンディングとなっているのですが、ゲーム開始時はそのマルチエンディングの扉は開かれていません。
一度ゲームをクリアすると解放される難易度が上がった「トゥルーモード」で、ストーリーの真相に近づくことができます。
ルート変化の条件はわかりませんが、どうやらスコアが関係しているようです。トゥルーエンドにたどり着くには、他にも条件がありそうで私もまだ到達できていません。
少女はなぜ黒い鳥にならなければならなかったのか?という最大の疑問とテキストがないが故の考察に楽しみが見出せるのではないでしょうか?
攻略のヒント
私はインベーダーゲームにハマった世代でもなく、シューティングゲームがビデオゲームの入り口ではなかったので、正直シューティングゲームに強い思い入れはありません。
2Dシューティングゲームで遊んだのは、グラディウス、ツインビー、パロディウス、R-TYPEくらいでしょうか。どれも下手の横好きというレベルでクリアしたのは数えるほどです。
そんな私がクリアまでに意識した点を残しておきます。シューティングゲームになれている方には必要ない部分になるので、読み飛ばしてください。
音楽に耳を澄ます
BLACK BIRDはオペラ調の耳に残るBGMが特徴の一つです。このバックで流れる曲に攻略のヒントが隠れています。
曲の中でサビといえる部分で、敵が大量に沸いてくる場面があります。このポイントを押さえておくと、敵を予測して迎撃することが可能になります。
初めて挑むステージで、気づいたら敵に囲まれてやられるというのは、ステージの把握というよりも曲の流れを掴めていないものによるものだと言えます。
プレイする際は、必ずBGMを聞ける環境にして遊んでみてください。
アイテムで優先すべきはボムとスピード
限りあるアイテムを何に変化させるかと言えば、ボムが最も重要です。
早い段階から、マックスボムを積極的に狙って黒い鳥のレベルを上げることが最大の攻略ポイントです。
黒い鳥の攻撃方向が強化されれば、広範囲の敵を倒しながら進めることが出来ますし、何より攻撃力が上がることで堅い敵やボスを素早く倒せるようになるので、ピンチを脱出しやすくなります。
また、敵の弾幕に囲まれた際のバリア的な使い方もできるので、ボムは重要アイテムになります。ライフを増やして敵の攻撃に耐えるという戦法よりも、攻撃しつつ敵の攻撃を無効化する戦法の方がこのゲームには合っていると思います。
スピードも2段階くらいは上げておくといいと思います。敵に密着するほどに攻撃の効率がアップするので、攻撃と回避を効率よくするためにもスピードも上げておきましょう。
ライフに関しては、3個か4個を維持するペースで取ればなんとかなります。そのライフ量でどうにもならないというのは、ステージごとの敵の配置、攻撃パターンを把握できていない状態だと思います。
プラクティスモードを利用する
BLACK BIRDはライフが尽きればコンテニューが出来ず、最初からやり直しになってしまいます。そのため、後半のステージほど敵のパターンを知る前にやられてしまうことが多くなります。
プラクティスモードを利用すると、任意のステージのみをプレイすることが可能になります。プラクティスモードでは、ステージに合わせたレベルに黒い鳥が成長した状態で始まるので、練習にはもってこいのモードです。
練習モードなんてと思わずに是非活用してみてください。
プレミアムパックを少しだけ
Steam版ならではの特典となるプレミアムパックについて少し紹介したいと思います。
プレミアムパック自体も1,980円とそれなりの値段になっていますが、中身がよくわからないと購入するのに勇気がいると思います。
まず、アイコンパックには、SNSで使えそうなキャラクターアイコンとマウスポインターのカスタムに利用できる黒い鳥が入っています。
2つめは各ステージのマップデータがパノラマサイズで入ってます。
3つめはミニサウンドトラックです。3曲と少ないですが、プレイすると耳から離れない素敵な音楽に惹かれたなら、欲しくなる一品ではないでしょうか。
4つめはBLACK BIRD壁紙です。
5つめはPDFファイルの「ボスアートブック」です。各種ボスのデザインが見られる画集担ってます。
6つめは「キャラクターアートブック」です。これはディレクターの木村さんが手書きで書いた各キャラクター画集となっています。
最後は「ピクセルアートブック」です。ドット絵好き、オニオンゲームス好きにはたまらない一品です。
以上が、プレミアムパックの中身です。これらに興味がある人は買って損はないでしょう。
まとめ
BLACK BIRDは、シューティングゲームを敬遠してきた人にも遊んでもらいたいゲームです。
MAXボムの爽快感だけでなく、敵に弾がヒットした時のSEも気持ちいい。そして耳に残る音楽に、考察する楽しみがあるストーリーと魅力に満ちています。
一方で、ボス戦があっさりしていたり、シューティングゲーム好きな人には物足りなさから価格が高いと感じるかもしれません。
オニオンゲームスが好きか?という点が購入の1番のポイントになるかもしれません。
私はプレミアムパックに惹かれてSteam版を購入しましたが、1ステージが10分足らずで終わるので時には大画面で、時には携帯モードで遊べるニンテンドースイッチ版の方が、このゲームには合っていると思います。
少しでも多くの人が遊んでくれることを祈って。
個人的ゲーム採点
8.7/10