どーも、もりそばです。
インディゲームを紹介する第2弾は、「Iconoclasts」(アイコノクラスツ)です。タイトル名だけで、舌を噛みそうな名前になっていますが(笑)
「Iconoclasts」は2Dアクションゲームで、PS4、PS Vita、Steamで配信されています。私はSteamでPC版を購入してプレイしています。
「VAIO Tap21」を使ってのプレイ環境になりますが、フルスクリーンでも処理落ちなどすることなく快適に最後まで遊べました。
それでは、「Iconoclasts」を紹介していきましょう。
アクションそのものが心地よい
「Iconoclasts」は、ヨアキム・サンドバーグ氏が一人で7年もの開発期間をかけて作り上げた作品です。個人で作られた作品だからといって、ボリューム不足やクオリティがイマイチといったことはなく、実に丁寧に作られた作品となっています。
ゲームの操作は、左スティックで移動、Aボタンでジャンプ、Xボタンで武器を撃つ、Bボタンでレンチを振る、Yボタンで武器の切り替えとなっています。(Xbox oneコントローラーでプレイしています)使うボタンもスーパーファミコン時代のようにシンプルです。
アクションゲームにおいて個人的に嫌いなのが、操作性の悪さによって難易度が高くなっているゲームです。ジャンプする際のタイミングがレスポンスの悪さでズレたり、同じように攻撃のタイミングが取りにくいといった、自分の思いと操作が一体にならないゲームは好きではありません。
「Iconoclasts」は、基本となるアクション部分が心地よく作られていて、そこで発生するアニメーションもしっかり作られているので、最後まで操作に関する不満はありませんでした。
例を挙げると、ジャンプ後に下Aボタンでヒップドロップが出るのですが、コレを使って倒す敵に対して、ホーミングが発生するところや、基本ショットもある程度のホーミング性能が付いていたりします。
他には、ジャンプで少し高い場所に飛び移るというシーンがよくあるのですが、ちょっと届かないかな?と思った時でも、壁の縁を掴んで登ってくれます。アクション性で難易度を上げないという配慮がなされていることに関心しました。かといって、ゲーム自体が簡単なものではなく、このゲームの難易度は後述するパズル要素に凝縮されています。
操作に関する説明があるのですが、上の画像のようにイラストで表示されます。後半になると新しい武器を手に入れていくのですが、その説明もイラストで表示されるだけなので、そこからどう応用するかといった使い方はプレイヤーが考えなければなりません。そこを不親切と感じるか、考える楽しさがあると捕らえるかはプレイする人によって変わるかと思います。
「Iconoclasts」はステージクリア型のアクションゲームではなく、探索型のアクションゲームになっています。そこに用意されたギミックを駆使したアクションも楽しく、探索型故に何度も往復を繰り返す中でも、操作性の悪さが進行を阻害するということをあまり感じませんでした。
歯ごたえのありすぎるパズル要素
1つのステージは多くのエリアで区切られており、先へ進むためには用意されたパズル要素をクリアしていくことになります。
主人公であるロビンはレンチを使ってボルトを回すことで、道をふさいでいる仕掛けを動かしたり、動かした仕掛けを足場にしたりして進むことになります。
後半になると、レンチがパワーアップして電気を帯びることができたり、武器も増えていくのでそれらを駆使して仕掛けを解いていくようになっていて、そのパズル要素は最後までマンネリ化することはありませんでした。
また、ゼルダの伝説のように、新しい要素を手に入れたステージはそれの要素がメインの解法となっているため、ステージ自体がチュートリアルとも言えます。ただ、説明はほぼないので、自分の発想とひらめきが頼りになります。後半は応用と応用の複合となっていて、説明の足らなさから、手詰まりに陥るかもしれません。
個人的に印象に残ったのは終盤に訪れる「塔」のステージで、「ゼルダの伝説 時のオカリナ」にあった水の神殿を思い出させる難解なステージです。エリアの繋がり自体もパズルのようになっていて、何度も往復するエリアを把握していないと混乱してしまうのは、水の神殿だなぁと感じました。
「あそこの仕掛けがさぁ、」といった、プレイ後の情報共有が楽しいのもこのゲームの魅力かもしれません。
攻略に頭をひねる多彩なボス戦
本作におけるボス戦は、倒す手段を試行錯誤する楽しみがあります。といっても、若干のアドバイスが入るくらいで、有効なダメージをあたえる方法はほぼノーヒントといってもいいくらいにありません。
クリアするまでに何度リトライを繰り返したかというほど、後半になるほどにボス戦は厳しくなっていきます。ただ、ボスの攻撃が理不尽でかわすのが難しくて死んでしまうといった類ではなく、ボスへの有効な攻略方法が見つからずに力尽きてしまうことが多かったです。
この辺はもう少しアドバイスがあっても良かったのでは?と感じるところです。ただ、難易度に関する要素は人それぞれなので、攻略法をすぐに見抜けた人にとっては難しく感じないかもしれません。
ステージ上に配置されている敵キャラクターも、少々頭を使わないと撃退することができないようになっています。武器で攻撃するだけでなく、仕掛けや武器の切り替えを駆使しての攻略が必要となっています。
ただ、ボス以上にザコに関してはアドバイスもないので、解法がわからないとダメージ覚悟で突っ切るしかなくなってしまうのも、惜しいなと感じました。私自身、最後までどうしても撃退方法がわからなかった敵がいるので、少しモヤモヤした終わりになってしまいました。
このように、ステージ内だけでなく敵との対戦に至るまで本作は「頭を使うアクションゲーム」になっているといえます。
重厚で哲学的なストーリー
ストーリーに関しては最後までプレイしても掴みきれない感じがしました。(私の理解力の足らなさもあると思いますが。)
個人的には、主人公がレンチを用いてやがては世界を救っちゃうぜ!くらいの軽い感じのストーリーだと思っていましたが、ゲームを進めるにつれてかなりしっかりとした世界観とテーマをもった作品であることに気づきました。
「Iconoclasts」の世界では、「マザー」を中心とした宗教絶対的存在となっており、そのマザーの手足として動く「ワン・コンサーン」という組織があります。彼らが、主人公の敵対勢力として描かれるわけですが、個人的には「敵」という認識は最後まで持てませんでした。
個性的なキャラクターが多く登場するのですが、背負っているものや生い立ちなどがなかなかにヘビーで、ドット絵のカジュアルさと裏腹にストーリーがやや重めなのは不釣り合いな感じを受けました。
主人公であるロビンは、ドラクエの主人公のように話すことはなく、またロビン自身の過去など多くを語られないため、一体どんなキャラクターなのかを把握しにくいという点も気になりました。
ストーリーに関しては、それぞれ好みもありますので評価は変わってくると思いますが、個人的にはもう少しカジュアルな内容の方が良かったかなと思います。
まとめ
「Iconoclasts」は申し分ない操作性で、良質な2Dアクションゲームです。ドット絵で描かれるグラフィックの水準も高く、2Dアクションゲームが好きな方には是非遊んでほしいインディーゲームです。
他のインディーゲームと同じように、説明の不十分なところにもったいないなと感じるところや、やや重めのストーリーは人を選ぶかもしれません。
IGNジャパンで、開発者インタビューがあるのでゲームをクリアした後に読んでみるといいかもしれません。(ネタバレを含むので、クリア後に読むことをおすすめします。)
日本語翻訳もよくできており、クリアまでのボリュームも17時間程度と満足のいくゲームになっています。
「Iconoclasts」はSteamで2,000円、PSストアでは2,160円にて販売中です。
個人的ゲーム採点
8/10