
今作は「9時間9人9の扉」の完全な続編であり、ストーリーは前作のその後となっている。そのため、今作からシリーズを始めることは推奨しない。今作の本編中に前作のストーリーの顛末が語られてしまうので、せっかくダブルパックというセット販売になっているので1作目から遊んでいただきたい。

今作も何者かに集められた9人が脱出を目指すという内容だ。前作では単純に数字あわせの協力が必要なゲームだったが、今作は「ノナリーゲーム アンビデックスエディション」となり、脱出のためのポイントを獲得し9ポイントに到達したものが脱出することができるとなっている。
このポイントを獲得するためには、カラードドアという扉を3人チームで突破してその後に行われる「ABゲーム」で『協力』か『裏切り』かを選択する事になり、このゲームの結果で、ポイントが増減するという内容だ。
全員が協力を選び続ければ全員で脱出が可能なのだが、得体の知れないものや自分の素性を語りたがらないものなど、疑心暗鬼に陥る要素がちりばめられているから簡単には進まない。その人間模様が今作の魅力だと思う。
*今回はXbox one版をXbox Series Xでプレイして記事を書いております。
今作のゲームシステム

今作では囚人のジレンマをモチーフにしたゲームが展開される。
何者かに集められた9人(人としてカウントしていいのかわからないものもいるが)はそれぞれがエレベーターの中で目覚める。それぞれが前作と同じように腕にバングルがはめられており、BPという数字と異なる色、ペアかソロといった表示がされている。
ゼロを名乗るウサギから「ノナリーゲーム アンビデックスエディション」を行いバングルのBPを9にしたものがここから脱出できるという話をされ、強制的にゲームへと参加していく。
カラードドア
「ノナリーゲーム アンビデックスエディション」ではまずカラードドアと呼ばれる扉をくぐり、その先に待つ部屋で謎解きをしてパスワードを入手しなければならない。
カラードドアに入るために、前作では数字の組み合わせだったが今回は色の組み合わせでチームを組むことになり、対応した色になるバングルカラーで入る必要がある。また、それぞれにペアとソロの表示がありペアのものは行動を共にしなければならない。

この選択がルート分岐の一つなっていて、誰と進んでいくかでストーリーも変化する。色の組み合わせが何パターンできるかといったことは勝手に教えてくれるので、プレイヤーが考える必要はない。どの扉に入るかを選ぶだけで良い。

進んだ部屋では前作同様、部屋の中を探索してアイテムや資料を探し最終的に扉を抜けるパスワードを探すことになる。
謎解きの最後には金庫を開けることになるのだが、金庫には扉を抜けるためのパスワードの他にアーカイブを埋めるためのシークレットキーというものが隠されている。部屋の謎解きで、別の解法を見つければ良いのだが普通にプレイしていると気づかず進んでしまう。入手したアイテムで使っていないものがあったらいろいろ試してみると見つけることができるが、シナリオの理解が少し深まるものやくだらないジョークだったりするので、血眼になって探す必要はないだろう。すべて見つけることが実績の一つになっているので、欲しい方は狙うくらいで良い。
ABゲーム

部屋を抜けたら、最初のエレベーターに入りペアとソロに別れて投票を行うことになる。簡単な話、全員で脱出しようとするなら皆で協力を選びつつければよい。しかし言動の怪しいものや出し抜こうとするものが出てくるためそううまくはいかない。

お互いに協力を選べば共に+2ポイント。一方が協力を選んで片方が裏切りを選ぶと、裏切った方は+3ポイントで協力を選んだ側は-2ポイントとなる。
どちらも裏切りを選択した場合は増減なしとなる。
ソロとペアで相手の状況がわからない情報が遮断された中で、信じて協力を選ぶか?自衛のため、もしくは出し抜こうと裏切るか?という選択を求められる。
まさに囚人のジレンマなのだが、今作の場合周回プレイ前提となっているのでただの選択肢でしかないのがもったいないと感じた。どうせもう一方も見るのだからとなれば選択肢に重みはない。
協力を選べば信じる方がバカだと罵られ、裏切れば信じられないと罵倒される。そんなバツの悪い展開を繰り返す必要があることは覚えておこう。
謎を呼びすぎて放り投げられたストーリー
今作でもストーリーは謎だらけとなっていて、徐々に明らかになっていく展開に引き込まれる。

善人シボウデスのストーリーをネタバレなしに語ろうとするのは難しい。最初から提示されているゼロは誰で何の目的があるのか?集められた人物はどういう人物なのか?といった謎は些細なものである、
後半には前作よろしく超展開の様相を見せる。さりげなく潜ませてある伏線も、後半に納得のいく形で回収されていくのは見事だと思う。
ただ、キャラの設定にツッコミどころがあったり、ストーリー展開にご都合主義な部分も見えたりするのは好き嫌いが分かれるだろう。前作をプレイして、善人シボウデスをプレイしているなら、強引な展開も許容範囲といったところか。


余談だが、以前PS Vita版を遊んだときに始めてシュレディンガーの猫を知った。ゲームでも新しい知識を得られるのは得した気分になる。
ストーリーはどの扉に入るか?協力か裏切りかで進んでいくのだが、今作では別のルートを見ないとストーリーがロックされるというシステムが追加されている。ストーリーが進まなくなったときは素直に別ルートを進めてみよう。

フローチャートがあり、ある程度任意の場所に飛ぶことができるので別ルートへ向かうのは楽になっている。ただ、扉を選んだ直後やABゲームの選択後など似たような展開だけどちょっと違うというノベルパートを繰り返し見ることになることや、移動する際にご丁寧にマップ上を点が移動して、エレベーターに乗ってといったアニメーションを繰り返されるのはストレスがたまる。スキップ機能はあるのだが、早送りといったくらいなので無駄に待ち時間が発生する。
本作の真エンドに到達するためには、すべてのエンディングを見る必要がある。だが、真エンドの終わり方に納得の行く人はいないだろう。さらにすべてハードモードでクリアすると見られる隠しエンドは謎だけを放り投げて去って行く。
前作も謎を残して終わり、続編となる今作である程度回収されていることを思えば、はじめから連作ありきのストーリーなのかもしれないが。実際今作で残された謎の多くは次回作で回収されることになる。
今プレイするには3作すべてを一気に遊ぶことも可能になっているが、リアルタイムで遊んでいた人にとっては、モヤモヤした謎を抱えたまま数年待つことになっていたと思うといたたまれない。
前作から大幅にバリエーションの増えた謎解きパート


前作の謎解きは数字根をメインにしたものがほとんどだったが、今作は多種多様な謎解きとなっており考える楽しみが増えた。
今作は難易度が選べるようになっており、イージーを選ぶと同行者がヒントを段階的に教えてくれる。ハードモードはノーヒントというわけではないがそのものズバリと言った前作のようなアドバイスはない。
基本的にはどちらの難易度でも真エンドにはたどり着けるが、前述した隠しエンドと呼ばれるエンディングにいくにはすべてハードでクリアする必要があることは注意が必要である。といっても、フローチャートから戻ってハードでやり直せば到達できるので、自分のペースで遊べば問題ない。


個人的にプレステの「XI」が好きだったのでサイコロを転がす謎解きが良かった。逆に図形を回転させて動かす謎解きは操作性の悪さにイライラさせられてストレスがたまった。さすがに後半になるとネタが尽きるのか、見たことある謎解きの高難易度バージョンとなるのもしかたないことか。
まとめ

全てすっきりと終わらないストーリーや、ツッコミどころの多い設定など不満に思う点はあるが、巧みな伏線と回収に先が気になるストーリーは今遊んでも十分に面白い。
それだけに操作性の悪さや、グラフィックのチープ感は評価を下げてしまう。
いずれにしても、前作を遊んでいることが前提の作りであり、さらには続編を遊ぶことが必要な作りをどう取るかで評価は変わるだろう。古いゲームだけに比較的手に入れやすい価格になっていることが救いか。
個人的ゲーム採点
7.8/10
