シンプルイズベスト『BALL×PIT』レビュー

ドラえもんが未だにしっくりこない。
声優陣が代替わりしてずいぶんと経つのに、私の知らないものだと遠ざけてしまっている。

私の世代はドラえもんと言えば大山のぶ代さんのイメージが強いのではないだろうか。ドラえもんのものまねをする時に思い浮かべるのは、独特の声色を持った大山ドラえもんなのだ。

ドラえもんの話などというゲームにあまり関係ない話から入ったのには訳がある。今回取り上げるBALL×PIT(以下ボールピット)が昔懐かしのブロック崩しをベースに作られているからだ。
大山のぶ代さんが「アルカノイド」というブロック崩しが大好きで、とてもお上手だったというのは我々世代では有名な話だ。

ボールピットを遊んでいると、ブロック崩しから大山のぶ代さんを連想してしまった。もしも、大山さんが遊んでいたらこれも気に入ってくれただろうかと。

2026年11月2日現在、Xbox Game Passで対象ソフトになっています。
*Xbox Series X版をプレイして記事を書いています。

目次

簡単操作で時間が溶ける

年齢を重ねてくると覚えることが億劫になってくる。
コントローラーのボタンをフルで使うんだろうなぁ。覚える要素が沢山あるんだろうなぁ。そんな感情が先走りなかなかゲームを始められず、買ったゲームが積み上がっていく。始めてしまえば長年のゲーム歴がカバーして操作に困ることは実際ないのだけど。

ボールピットの操作はシンプルだ。玉を発射することと打ち出しの角度を変える。キャラクターを動かす、それだけである。なんだったら、ゲームが進行していけば全くの無操作で1ステージクリアすることも可能になる。
操作も忙しないものではなく、ほんの少しの操作を繰り返していくものだ。昔のブロック崩しのように玉を受け止める必要もない。

一応画面の補足をしておくと右の長いバーはステージの進行度を表していて、左の剣の部分には経験値が表示される。その下にある盾の中にある赤い部分が体力だ。
プレイヤーキャラが撃ち出した弾は壁に当たると反射して、次々と敵に当たりダメージを蓄積していく。ブロック崩しよろしく画面奥に到達した玉は上の壁と敵との間を気持ちよく反射して視覚的にも高揚感を与えてくれる。

敵を倒した後に残る結晶を集めるとレベルアップし、能力値アップと新しいアイテムを手に入れることができる。このアイテム入手がローグライクとなっていて毎回ランダムになっている。
アイテムは攻撃の要となるボールと特殊な効果を発揮するパッシブの2つだ。このアイテムにもレベル要素があり、組み合わせによっては最大レベルの3まで上げると新しいアイテムに進化させることができる。

中ボス撃破時や敵を倒したときに七色に光る玉が落ちることがある。これを手に入れると条件を満たしているアイテムの進化、ボール同士の融合、ランダムで選ばれたアイテムのレベルアップの3つから選んで強化ができる。

進化はレベルが3になっているアイテムがあり、それが進化できる組み合わせであれば実行できる。組み合わせは多数あり、何と何が進化できる組み合わせなのかを推測しながらプレイするのが楽しい。
進化は組み合わせたもの同士の能力を掛け合わせ、さらに発展したものになるので積極的に狙っていきたい。

融合はボールを合体させて一つにまとめてしまうもので、組み合わせなど関係なく実行できる。ボールを所持できるのは5個までなので、必要ないボール同士を組み合わせて空きを作ったりするときに使うといい。
パッシブに関しては融合できないので、選択はボールよりも慎重に行う必要があることは覚えておくべきだ。

ひとつテクニックとして覚えておきたいのが、画面外に出なければ入手は任意なので遅らせることが出来るということ。ボールがあと1つレベルが上がれば進化できるといったときは経験値集めに徹して、レベル上げた後に七色玉を拾って進化させるということも有効な戦術になるのは知っておいて損はない。

ある程度遊んでいくと強いボール、あまり使い道のないボールがわかってくるがランダム要素が絡むため毎回狙ったボールをつくれるわけでもない。手に入れたボールをいかに活用していくかを考えるのがたまらなく楽しくなる。

拠点を発展させる楽しみ

ステージを挑戦するたびに戻ってくる拠点がある。この拠点を発展させていくこともボールピットの楽しみの一つだ。

ステージを進めていくと道中で設計図を見つけることがある。この設計図で立てることが出来る建物には、使用キャラを増やすものやステータスを上げるものなど様々だ。
この建物は建てただけでは効果は発揮しない。拠点内ではキャラクターをボールのように放ち、反射を繰り返して一定数ぶつけることで建築が完了となる。

建物を建てるためには資材が必要になる。その資材を集めるための畑や林なども拠点に設置して、キャラクターが通ることで収穫するといった仕組みだ。
資材集めと建築を効率よくこなそうとしたら施設の配置値に発射位置と角度を考え、どう反射させて少しでも多くキャラを走らせるかに頭を悩ますことになる。
1回ステージを終えるごとに走らせられるのは1度だけなのだ。

この拠点のシステム、説明がしっかりとされるわけではないので建築に一定数ぶつける必要があることに気づいたのは少し進めた後だった。私の理解が足りない部分もあるだろうが、この辺の説明は充実していてほしかった。

最終的にこんな配置になった私の拠点

玉の反射が生み出す魅惑の世界へ

始めてすぐは使えるキャラも1人しかおらず、角度を付けて単発の玉を打つゲーム内容に物足りなさは感じるだろう。ステージを1度で最後までも到達できなかったりストレスはある。それでもボールが転々と反射を繰り返す様を眺めることが楽しいのは遙か昔のブロック崩しが証明している。
何度か遊ぶうちにステージ内とは別にキャラクター固有のレベルが上がり、拠点を発展させキャラが増えてきた辺りで世界が変わってくる。
一番は2人のキャラクターを同時に出撃させてるようになった時だろう。圧倒的に手数が増え、それぞれ癖のあるキャラクターをいかに組み合わせるかという新たな楽しみが増えるからだ。

画面いっぱいにボールが飛び交う様は眺めているだけで快感である。この辺りに来るとほぼ操作は経験値集めに左スティックを回すくらいになってくる。
ほんのわずかの操作で多数のボールと飛び交うダメージ数、次々消えていく敵を眺めるのはものすごい中毒性を生み出すのだ。

ボールの数、パッシブもかなりの数があり進化先も豊富に用意されている。ものによっては簡単には作れないようなものもあるので、ランダム性に振り回されながら試行錯誤するのが楽しくなる。
アップデートが何度かあり、今でも新しいボールやパッシブが追加されている。

まとめ

乱暴にいってしまえば反射する玉を眺めるのがボールピットだ。
そのシンプルを極めた中に、ローグライクやヴァンパイアサバイバーの要素を加えブロック崩しを現代に蘇らせたと思っている。

誰かが思いつきそうでやっていなかった、そんなゲームが出てくるのがインディゲームのおもしろさだと思うのだ。
操作や覚えることはとても少ない。あまり好きな言葉ではないがあえて使えば「だまされたと思って遊んでみて」と声を大にして言いたい傑作だ。

個人的ゲーム採点

10/10

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